天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

江ノ島風物詩(1)

江ノ島の磯にて

 秋になると江ノ島の磯では、鯖やソーダガツオといった大きめの魚が釣れ始める。そのまま持ち帰ると腐るし、大漁になって箱から溢れることにもなるので、磯辺で頭と膓を取ってしまう。それを空から鳶が狙っている。


     角錐の山裾かすむ神無月


  まなかひに黒くかすめる富士を見て鯖釣りあぐる
  江ノ島の磯


  働かむ気力はあれど仕事なく釣三昧の月日
  すごせり


  本命のソーダガツオを待つ間に黄土色なる
  シイラ釣り上ぐ


  釣り上げしソーダガツオを岩に載せ頭を落し
  はらわたを抜く


  ひとつひとつ安全確認するこゑを子が真似てをり
  小田急線に


  夕食の膳に出でたり江ノ島の朝釣りあげし
  ソーダガツオは