秋になると江ノ島の磯では、鯖やソーダガツオといった大きめの魚が釣れ始める。そのまま持ち帰ると腐るし、大漁になって箱から溢れることにもなるので、磯辺で頭と膓を取ってしまう。それを空から鳶が狙っている。
角錐の山裾かすむ神無月
まなかひに黒くかすめる富士を見て鯖釣りあぐる
江ノ島の磯
働かむ気力はあれど仕事なく釣三昧の月日
すごせり
本命のソーダガツオを待つ間に黄土色なる
シイラ釣り上ぐ
釣り上げしソーダガツオを岩に載せ頭を落し
はらわたを抜く
ひとつひとつ安全確認するこゑを子が真似てをり
小田急線に
夕食の膳に出でたり江ノ島の朝釣りあげし
ソーダガツオは