天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

西瓜

食卓から

 百科事典によると、スイカは熱帯アフリカ原産のウリ科のつる性一年草で、古代エジプト時代から種を食用にするために栽培されたという。わが国には16世紀か17世紀頃に中国を経て渡来したという。果肉用のものは明治初年に米国から移入された。その形、色、皮の模様には種類によりさまざまある。漢字では、水瓜と表記することもあるようだ。


     こけざまにほうと抱ゆる西瓜かな    去来
     冷されて西瓜いよいよまんまるし   伊藤通明
     三人に見つめられゐて西瓜切る    岩田由美


  キッチンの床にころがしおく西瓜ひと眠るころ動くことあり
                       今井恵子
  運命論者のやうに驚く大きなる西瓜を切ればまつ黄いろなり
                      馬場あき子
  誰も帰つてこないふるさとあの井戸に水瓜冷やしてありしは
   何時か                 斎藤 史


  わたくしの怒りやまざる宵のこと西瓜の腹に指さしとほす
                       上村典子