天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

陰陽瀧

鎌倉市今泉町にて

 梅雨明けが宣言された後も雨が降り続いてうんざりしていたが、やっと晴れた。定番のコースながら、大船からバスで白山神社前で降り、神社、今泉不動、散在ガ池(通称鎌倉湖)と歩いた。白山神社の入口には、この地で生れた狂歌師・天廣丸についての文学案内と碑がある。これについては以前にも紹介した。称名寺にある瀧を陰陽瀧を称するとは、今日初めて気付いた。散在ガ池では藪蚊がつきまとって煩かった。


     紫陽花や天廣丸狂歌の碑
     陰陽の滝ふた筋の水しぶき
     焼却場近き畑の茄子トマト
     草刈りし跡に口開く鼠捕り


  風流の眼といひて酒を酌む天廣丸(あめのひろまる)狂歌
  生きし


  不動尊しづもる山のそこここに刈り残したる山百合の花
  つきまとふ蚊の鳴く音を払ひつつ散在ガ池に涼みけるかも
  殺生も辞さずとおける鼠捕り墓地の近くに僧は草刈る
  日々つもるテレビの台の白き塵画面を見つつ今日も気になる