天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

春の植物園

姫金魚草(大船フラワーセンターにて)

 近所の桜は散って葉桜になりつつあり、淋しくなったので春の草花を見るべく大船フラワーセンターに出かけた。ここには桜の品種も多いので、満開になったばかりの桜があるし、利休梅、石楠花、躑躅、箒桃、チューリップ、ムスカリなど多様な色を楽しむことができた。温室では、気品を湛えた蘭の花や睡蓮がいつものように迎えてくれた。


     口々に空に仰向く紫木蓮


  おほかたの梅も桜も散りたれど白き小花の咲く利休梅
  目覚ましき紅の花しやくなげの咲きみちたれば桜青ざむ
  アルメニア西部、イランが原産と書かれし札の青きムスカリ
  ほつかりと空に仰向き口を開く桜の間(あひ)の紫木蓮の花
  さまざまの色形あるチュウリップ品種改良の技恐ろしき
  さくら散る大船フラワーセンターは色ゆたかなる春の草花
  ゆるぎなき形なりけり温室の池に浮かべる睡蓮の花