天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

椋鳥(むくどり)

浜松市にて

 このブログで何度かとりあげたスズメ目ムクドリ科の鳥である。東アジア(中国、モンゴル、ロシア東南部、朝鮮半島、日本)に分布する。日本国内ではほぼ全域に分布する留鳥。雑食性で、植物の種子や果物、虫の幼虫などを好んで食べる。
 最近、工場の壁穴にある鳩の巣をムクドリの群が奪う場面を見た。鳩は単独行動だが、椋鳥は集団で行動するので、とてもかなわない。


  今年また荒れたる軒にむくどりの巣を営むと来鳴ける声す
                     柴生田稔
  宿りたる楠の樹の実を食み尽くし今日よりはゐず旅の椋鳥
                     北沢郁子


     ムクドリが鳩の巣奪ふ春日中


  椋鳥が工場の壁の鳩の巣をうばはむと来る大勢でくる
  うばはれし巣に帰らむとする鳩を追ひ立ててをり
  ムクドリの群


  屋根にゐて近づく鳩を追ひ払ふ椋鳥三羽監視役なる
  奪ひたる塒守りてムクドリが鳩追ひ払ふ春の夕暮
  ムクドリに寝床とられし鳩あはれ近づくたびに追ひ払はれて