天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

遣り水

NHK-BS「京都御所」から

 辞書を参照すると、以下のように解説されている。
水を庭の植え込みや盆栽などに与えること。寝殿造りの庭園などで、外から水を引き入れてつくった流れ。自然の美しさを表現するとともに、夏の暑い京にあって避暑の意図をも持つ庭園設計の一つであった。


  なき人のかげだに見えぬやり水のそこに涙をながしてぞ来し
                 後撰和歌集・伊勢
  わたどののともしの火影(ほかげ)またたきて夕風ながら写す
  やり水                小沢蘆庵


  せきいれていく日もあらぬわが庭のやり水のあたり水鶏
  なくなり               落合直文