天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

鰺(続)

NHKテレビ「キッチンが走る」から

 2008年4月5日の続きである。スズキ目アジ科の魚。通常はマアジをいう。他にシマアジ、カイワリ、ムロアジ、イトヒキアジ など。黒潮に乗る回遊魚だが、沼津では養殖されており、天然産よりも味が良く、高値で取引されている。俳句では夏の季語。


     海までの街の短し鰺を干す       神蔵 器
     坂がかり夕鰺売りの後に蹤(つ)く   能村登四郎


  一杯の美酒(ウマザケ)のみてまづ酔はむ見よ妹ここに鰺の
  ヒヤウバを               服部躬治


  鰺を前に商ふ氷見の媼らのしたたかに生きてこの越(こし)
  に老ゆ                 岡部文夫


  明日終るいのちと思わぬ 真鶴浜の鰺のたたきが今日も
  うまい                佐々木妙二


  朝早く揚がるを待ちて得し鰺を食ひて油津を四人出で立つ
                     小市巳世司