天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

目刺(めざし)

わが食卓から

 イワシに塩をふり、五、六尾程度を竹の串や藁で目を刺し連ねて干したもの。冬から早春が旬で旨い。俳句では春の季語。


     目ざし場の女一人子を負へる     高野素十
     ぼうぼうと燃ゆる目刺を消しとめし  中村汀女
     池袋二丁目常の目刺出て       岡本 眸


  その反りのかかるすがしさきさらぎの氷見の目刺の藍(あゐ)
  藍(あゐ)として              岡部文夫


  目刺とう目玉ぬけたる魚三つ皿にしずかな裸をさらす
                       玉井清弘