天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

傘(2)

菅笠

 いくつかの種類について調べてみた。
菅笠: スゲの葉で編んだ笠。
番傘: 和紙を張った粗製の雨傘で、江戸時代の中頃から
    竹製の骨に厚めの油紙を張った雨傘が普及した。
    上等のものが蛇の目傘。
三度笠: 菅笠の一種。貞享年間 頃に初めて三度飛脚
    (江戸、京都、大坂の三ヶ所を毎月三度ずつ往復して
     いた飛脚のこと)が用いたことから,この名がある。
網代笠: 細く削った竹を編んだ笠で、僧侶やお遍路さんなどが
     使用する。


  君がかざす洋傘のいろ覚え居り今今と門に出でて待つかな
                        杉浦翠子
  デパートの売場ひとところ風の来てひらける春のパラソル
  を揺る                  初井しづ枝


  見おろせば顔見えぬ人らが鈍重に濡るる蝙蝠傘(かうもり)を
  さしかざしゆく              初井しづ枝


  ひじやうなる白痴の僕は自転車屋にかうもり傘を修繕にやる
                       前川佐美雄
  アンブレラ振りつつ吾を呼びし声明るき愁ひと呼びし君はも
                        河野愛子
  用のなき翼のごとしたたまれていまだしずくをたらす蝙蝠傘
  (こうもり)                 造酒広秋