天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

海老(続)

NHK「キッチンが走る」の映像から

 2008年12月27日にとり上げているが、以下は続きである。
淡水産には、ヌマエビ、テナガエビ、ザリガニ、スジエビなど。海水産にいたっては、日本近海にイセエビ、クルマエビサクラエビテッポウエビ、クマエビ、コウライエビホッカイエビシバエビなど五百種もいる。


  今はわれよをうみに住む老えびの藻屑が下にかがまり
  ぞをる           夫木抄・源 仲正


  寺々の落葉踏みきて入る鮨屋赤身透きとほる蝦(えび)
  を握らす              大野誠


  微動する蝦の生身を旅正月の朝の餉(かれひ)に食まん
  とぞする              木俣 修

  そのかげに犠牲者あるはわが知れる祝宴に白き海老の
  肉切る              真鍋美恵子


  茹であげし海老冴えざえと並べ置く厨明るき夕(ゆふべ)
  となれり             富小路禎子


  「まがったてっぽうだま」を買ふやうに冷凍えびをかごに
  放りこむ              佐藤通雅


  ぶだうえび脳天まこと小さなりじんわりと甘きそも食ひにけり
                    坂井修一