天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

虱(しらみ)

NHK「人の体は微生物の宝庫」から

 シラミ目に属する昆虫の総称。全部が哺乳動物に寄生し、幼虫、成虫とも皮膚から吸血する。宿主の体から離れると死ぬ。衣虱、頭虱、毛虱などの種類がある。


     蚤虱馬の尿(しと)する枕もと      芭蕉


  着る物の縫ひめ縫ひめに子をひりてしらみの神世始りにけり
                        橘 曙覧
  死にて行く体より虱の離るるをさりげなくここに形容とせり
                       柴生田 稔
  たくづぬの虱もつけてゐけむかと子をあはれみて強(きつ)く
  抱きしむ                 前川佐美雄
  (注)「たくづぬの」は、白(しろ、しら)などにかかる枕詞。