天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

御輿(2)

NHKテレビ映像から

 俳句では神輿は夏の季語である祭の傍題のひとつである。


     色町にしばらくやすむ神輿かな  小路智壽子
     踏切に神輿せかれてしまふなり   宗田安正


  いくそたび強訴(がうそ)の神輿下りたる叡山けふを雪
  いだく谷            下村百合江


  ぬばたまの闇を発ちきて暁の浜辺に神輿の揃ふ浜降祭
                   杉山敏代
  宵ぐちの路傍に据うる神輿あり供ふるものは米と塩と酒
                  川島喜代詩
  花咲耶卑弥の御輿は男らの体臭連れてすぎゆきにけり
                   上野久雄