『広辞苑』によれば、海水や湖水が陸地に大きく入り込んだところ。入江。いりうみ。漢字の中に弓が入っているように、弓なりにまがることが前提である。地図を見ると、大きな湾の中に小さな湾がいくつか含まれるという地形もある。例えば、若狭湾の中に栗田湾、小浜湾、敦賀湾などがある。あるいは伊勢湾、三河湾、知多湾、渥美湾の関係。
湾曲し火傷し爆心地のマラソン 金子兜太
港湾ここに腐れトマトと泳ぐ子供 金子兜太
麗らかさ全ての波が湾にくる 高屋窓秋
ラメ入りの布を敷きたるやうな湾 鶴見つばさ橋渡りてゆけり
白石トシ子
月光は湾をくまなく照らしいて旅の途上にみる旅の夢
谷岡亜紀