天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

自転車(9/10)

ルリンチャー・タイヤ(webから)

 自転車のタイヤについて。自転車の車輪は、当初は鉄製でタイヤは固形のゴムを張り付けたものだった。空気入りタイヤが考案されたのは、1888年、イギリスのダンロップによってであった。その後3種類が考案された。チューブラー、クリンチャー、チューブレス である。クリンチャーは、タイヤとチューブが別体になっている。チューブラーよりも手軽であるため、現在主流のタイプとなっており、一部の競技用自転車を除けば大部分がクリンチャーである。


  意外なる速さにすぎし夕闇の妻が愛用の自転車あわれ
                    上野久雄
  ハンドルの半ばを砂に埋めたる自転車があり肋のごとくに
                    三井 修
  草の香を雫しつつ走る自転車の子らはしだいに野の
  風となる              菅原恵子


  夕空はしずかに反りて自転車の鍵を外すとしゃがむ妹
                    吉川宏志
  木星の真下に君の家ありと螢橋越えて漕ぎし自転車
                    大崎瀬都
  「いま風をたべているの」といふ吾子と自転車のベル
  鳴らしつつゆく           小野光恵


  木枯らしの一号が吹き新しき自転車のキーたまゆら光る
                    西川修子