天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

遊行寺の白木蓮

遊行寺にて

 毎年のようにこの時期にご紹介しているが、藤沢遊行寺の白木蓮がみごとに開花した。この木が影を落す放生池には、晩秋から早春にかけて見かけた鴨たちの姿はない。北に帰ったのだろう。日にもよるのだが、今日は何故か鯉たちの姿も見なかった。
 なお安藤広重東海道五十三次藤沢遊行寺図」の俤は、今も残っていて興味深い。遊行寺山門近くに案内板がある。朱塗りの遊行寺橋は当時は、大鋸(だいぎり)橋と呼ばれていたらしい。


     一里塚跡の札立つ韮の花
     木蓮放生池の鎮もれる
     はくれんと白を競ふや富士の嶺
     大木の白木蓮をめぐり撮る


  白蓮と放生池の観世音紙一枚に収めて画ける
  広重の遊行寺絵図のおもかげをしのびて佇てり
  朱塗りの橋に