天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

歌仙に惹かれる

講談社学術文庫

 尾形仂『歌仙の世界』を持ち歩いて途切れがちに読んでいるが、たくみな文章に感心する。それに刺激されてわが作品も以下のように俳諧の付合せ風になってしまう。


     エアコンに寒さ忘るる書斎かな
       三寒四温の天気予報図
     花冷や月に一度の医者通ひ
       首をすくめて椅子にメモとる
     燗酒の肴につまむ赤かぶら
       すこし気になる旨味と塩気
     焼酎をロックに飲んで昼寝かな
       目覚めてつらき夕暮の空
     仲麻呂と蕪村の月や山と町
       月の詩情に思ひおよべり