天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

エニシダ

金雀枝(webから)

 エニシダは江戸時代(1670年頃)に中国を経由して渡来した地中海地方原産の落葉低木。高さ数mになり、枝はほうき状に分かれて先端は垂れ下がる。4月から5月にかけ、黄色い花をつける。漢字で、金雀枝あるいは金雀児と表記する。


     金雀枝や基督に抱かると思へ     石田波郷
     金雀枝に雨上りたる日射しあり    高木晴子
     金雀枝の咲きあふれ色あふれけり   藤松遊子


  金雀枝の黄が揺れ煉瓦を蟻が這いこれは明るい遺蹟か知れず
                       高安国世
  金雀枝の花咲き門は黄を灯す生命ゆるされ帰り来し日を
                       前田 透
  萬流の油そそがん六月の日を遙かとし天の金雀枝
                       前田 透
  蓄へし時間ひとときに顕たしめて金雀枝は黄の花々を垂る
                      川島喜代詩