天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

棕櫚(しゅろ)

棕櫚の花(webから)

 中国原産で、ヤシ科シュロ属の常緑高木の総称で、5種以上もある。日本原産をワジュロ、中国原産をトウジュロという。雌雄異株だが、まれに雌雄同株も存在する。雌株は5 - 6月に葉の間から花枝を伸ばし、粒状の黄色い花を密につける。実は11 - 12月に黒く熟す。


  臥しながら雨戸あけさせ棕櫚の実のこぞる青空をしばし
  見て居き                小暮正次


  棕櫚の葉に日ざしの暑き朝々を身をはげまして起出づるのみ
                      小暮正次
  棕櫚の木に秋のひかりの照りながらかすかに揺るる生をよろこぶ
                      島田修二
  荷造りてトラックにある棕櫚の梢(うれ)春の疾風に吹き撓ふ見つ
                      田谷 鋭