天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

戦争を詠むー武器(4/4)

 地雷(じらい)は、地上または地中に設置され、人や車両の接近や接触によって爆発して危害を加える兵器である。設置方法には、人力、地雷敷設車両や専用ヘリコプターを使う大型の弾殻の中に入れて遠隔地から散布、などの方法が利用される。

 ミサイルは、目標に向かって誘導を受けるか自律誘導によって自ら進路を変えながら、自らの推進装置によって飛翔していく兵器のこと。種々の用途とタイプがある。

 

  いくさには征くなと願いし子守うたは銃を持つとき蘇らんか

                         相沢光恵

  弟をおぶって逃げた。森の中を走って逃げた。地雷を踏んだ。

                         松浦郁世

  除去したる地雷の鉄を炉に熔かし鋤鍬となすカンボジアの民

                         風間博夫

  無尽数の地雷孕める星に生き飽くなきわれの花鳥風月

                         楠田立身

  「母親の私を殺すの」戦車まへ老いの坐れりロシアのをみな

                         小林邦子

  ミサイルは鶴のごとくに飛びくるや日本列島櫻咲く日に

                         前登志夫

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地雷