天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

海苔

 日本語の「ノリ」はヌラ(ぬるぬるするの意)を語源とする。水中の岩石に苔のように着生する藻類全般を表す語で、広義には食用とする紅藻類・藍藻類の総称である。平安時代末期は「甘海苔」といい、アマノリを板海苔に成形した「浅草海苔」が江戸時代以降に広まった。(以上、ウィキペディアから)

 

     衰ひや歯に喰ひあてし海苔の砂     芭蕉

     海苔舟や沖のうねりのここまでも  高浜虚子

     海苔乾場透きとほる火を焚きはじむ 山口誓子

     海苔舟をつなげる松や玉津島    平畑静塔

     海苔干すや海堡に浪のおとろへず  横山白虹

     海苔粗朶が有明の海狭くする    川瀬清子

     傾ぐまま舟を進めて海苔を採る   秋田玲子

 

  秋の雨寂しき今日を友もなし海苔を火にあてて独りこそ飲め

                      大隈言道

 

海苔