天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

住のうたー厨・台所

厨(くりや): 《「涅 (くり) 屋 (や) 」の意で、黒くなっているところから》食物を調理する場所。台所。厨房(ちゅうぼう)。 くりやべの夜ふけ あかあか火をつけて、 鳥を煮魚を焼き、 ひとり 楽しき 釈 迢空 物きざむ音のきこえてほのぐらき厨の中の妻を見…

住のうたー部屋(2/2)

九官鳥の籠に黒布を被ひたる部屋に密葬の燈はともりゐつ 真鍋美恵子 *密葬: 身内だけで内々に行う葬式のこと。 九官鳥は、人語や他の鳥の鳴きまねがうまいので、その籠に布をかぶせておかなと、いろいろ騒がしく声をあげる。密葬の邪魔になるのだ。 秋とな…