2005-05-01 御宿 笠森観音 懸崖の御堂に立たす金色の闇をまとへる笠森観音 懸崖の御堂高きに妻ひとりのぼりてゆけり御仏に会ふ 本数の少なきバスに乗りたれば帰りに会へる運転手同じい 御宿 亭々とホテル、マンション建ちたれどその人影を見ざる御宿 立ち寄りし御宿の夜の砂浜に詩人は見たり月の砂漠を 絵も詩(うた)もをさなく見ゆる詩画集を月の砂漠の記念館に買ふ もの思ふ指に書きたる砂文字を潮風が消す嗚呼お姉さま 砂浜の待宵草にかがみ込む和服の少女胸を病むらし ふたりして月の砂漠を行くめれどビーチバレーの水着の処女(をとめ)