天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

恐竜の世紀(続)

 今日の産経歌壇、小島ゆかり選に、六月十一日に作った次の歌が入っていた。

   声若き読経聞こゆる長谷寺の山になだるるあぢさゐの花


昨日の続きで恐竜の世紀。


   対なせる剣板並ぶ背の先に眼窩もたぐる太白華陽竜
   (ファヤンゴサウルス)

   
   肩に尾にスパイク状の骨あれば四川巨棘竜(ギガントスピノ
   サウルス)食へず


   長き首大き頭骨もたぐれば少女身じろぐ巴山酋竜(ダトウ
   サウルス)

   
   首長き楊氏馬門渓竜(マメンチサウルス)くるしけれものを
   飲むとき息をするとき


   屋根瓦のやうに重なるへら状の歯が並びたる下顎の骨
   死の床は土柔らかき沼なりし蛇紋のこれる皮膚痕化石
   脚を鰭に化して泳げる時の間を壁山上竜(ビシャノプリオ
   サウルス)に見る