天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

関ヶ原

家康の陣跡

 日本海からの風の通り道である関ヶ原は、天候が変わりやすい。今は家が立ち並んでいるので往事をしのぶ風景は無さそうである。

        むくげ咲く東首塚関ヶ原
        蝉しぐれ首検(あらた)めし陣の跡
        夏逝くや陣場野跡ににはか雨

   覗き込む首洗の井の底深く油うかべて水光りたり
   敵将の首検むる家康が座りし陣に降る蝉しぐれ
   関ヶ原木立のあれば陣しきし大名の旗今もはためく
   柿はそも腹にわろしと断りし斬首の前の石田三成
   決戦場跡にしぶきしにはか雨笹尾山には靄の立つ見ゆ