天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

國のため

 10月に入って靖国神社拝殿・社頭掲示の内容が替った。
明治天皇御製:
   ますらをも 涙をのみて 國のため
   たふれし人の うへをかたりつ
これに続いて、神風特別攻撃隊の海軍少尉二十一歳が父と家族に宛てた手紙。
   ・・・・・もう一度家へかへりたいと思ふこともありましたが、
   今更そんなことは考えません。ただ一撃必中あるのみです。・・
   ただ国のために死ねることを最大の光栄として居ります。
   ・・・・・
昭和二十年八月九日、本州東南方海面にて戦死したという。


  掲示には御製とならび遺書ありて一撃必中あるのみといふ
  すめろぎの御製とならび遺書ありて死は光栄と書きたるあはれ
  ただ國のために死ねるを最大の光栄といふ 家族への遺書
  一度家に帰る考へふりすてて海軍少尉神風に乗る
  あさはかといふは易すけれ国難の至れば誰をいけにへとする

       
       雨くるか斎庭(ゆには)に細き虫の声