天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

鳥羽一郎

 たまたま再放送の「BS日本の歌」を聞いているが、今歌っている鳥羽一郎の「兄弟船」は五七調、最新曲の「銭五の海」は七五調、というように、流行歌はいずれも七音、五音の組み合わせで曲に乗せて歌われているのである。記紀、万葉の時代から現在の演歌、流行歌にいたるまでこの韻律が脈打っているのが、日本の歌謡の遺伝子的特徴なのだ。それゆえに、田植草紙のように、この韻律からはずれた歌謡が気になる。
 第二芸術論で奴隷の韻律と批判された短歌に、塚本邦雄が新しい韻律の導入を試みたとき、田植草紙が大いに参考になったと思われる。