天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

田植草紙(続)

 七音五音にこだわらないで意味の切れ目で軽く間を入れて読めば、なんとなくリズムがでてくるような気がする。
    大磯の虎御前(とらごぜん)は、戀に沈(しづ)うだり
    曽我の十郎まいするこひのなぐさみに
    虎御前(とらごぜ)、こひをば止(や)めてまゐらせう
・・・・・・・・・・     (晩哥四番一一九)

つぎの歌はどうか。
    扇は一本なり君二人なり
    裂かうや裂かうや半らほど裂かうや
    裂くに裂かれぬ扇の君の深いに
       ・・・・・・・・・・     (昼歌二番)

七音五音の組み合わせに慣れていると、散文調に感じてしまうのである。


        雨やみぬいづくか匂ふ金木犀
        秋霖や茶室のフラッシュ外に漏れ
        秋霖を写真フラッシュ突き抜けて