天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

日吉丸と虎之助

秀吉産湯の井戸

 今日はまた名古屋に日帰り出張。昼前の時間を豊臣秀吉加藤清正が生れた中村区を訪ねた。豊国神社、常泉寺妙行寺、油江天神社、素戔鳴(すさのを)神社と歩いた。秀吉生誕の地として、豊国神社と常泉寺の二箇所の候補がある。妙行寺加藤清正誕生の地である。


   まだ若き松の並木に菰巻きて冬に入るなり豊国通り
   松に添ふ桜のもみぢ一葉が朝の光の中を落ちたり
   自動車を停めて吹きゐるハーモニカかなしく聞こゆ
   朝光(あさかげ)の中


   秀吉を神と祀りて拝がめる心知らえず外つ国の人
   目の悪き人のためとふ公園に花の香を嗅ぐわれならなくに
   豊太閤産湯の井戸の湧き水を一羽の鳩が飲みにたりけり
   基樹より五代目といふお手植の柊にさす朝陽まぶしも
   柊は鬼神も恐るる吉祥の樹と伝へたりお手植の庭
   秀吉の誕生の地と伝へたりわづか離れて神社も寺も
   衰へし眼差しもちて坐りたり桜もみぢの下の清正
   日吉丸、虎之助らが遊びけるここ中村を地下鉄がゆく
   日出づる国の社に祀らるる古事記に出でし諸々の神
   皇孫を祀る村社としてありき油江天神、素戔鳴
   (すさのを)神社


   皇孫を今も祀りてをろがめる村社のありて日出づる国
   村社には神話の中の医薬の祖少彦名命祀れり


        もみぢ散るかなしき曲のハーモニカ


 仕事が終って名古屋駅で海老天入りキシメンと鯖の柿の葉鮨を食べた。キシメンはどうも美味くない。値段も五百五十円と高い。前にも書いたが、新大阪駅や阪急十三駅で食べる昆布うどんと比べると味も安さも雲泥の差がある。