天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

長良川

「短歌人」十二月号で、今年は「山の歌・川の歌」という題詠特集を掲載している。それに投稿した歌と小文が載ったので次にあげておく。夏休みに訪れた長良川の鵜飼をテーマにしたもの。


  幸若(かうわか)の謡(うたひ)ひびかふ長良川かがり火はじけ
  鵜舟くだりく


長良川飛騨高地大日ヶ岳に発し、一六六キロを流れて伊勢湾にそそぐ。織田信長の居館跡から少し歩いた長良橋の袂に、芭蕉の句碑と北原白秋の詩碑が立つ。この夏はじめて鵜飼を見た。山陰から次々に下ってくる鵜舟に納涼船が伴走する。千三百年の歴史の漁法を今に伝えるというが、観光向けの演出、工夫が見られる。
  

 他に長良川を詠った歌がひとつあったので、歌のみあげる。
  長良川の水上にして暮れやすき郡上八幡にわれら逢へりき
                     大谷雅彦