天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

長興山の枝垂桜

長興山の枝垂桜

 今日は彼岸、WBCの決勝戦。すでに靖国神社の枝垂桜が咲いていたので、小田原入生田にある長興山の枝垂桜も咲く頃のはず。例年見に行っているので、様子を見に行くことにした。山桜はすでに散りはじめている。WBC決勝戦は、十一時半から始まるとのことなので、朝早めに出かけた。休日なのに、入生田駅周辺には人影はまばらである。枝垂桜はまだ咲いていないことが察せられた。しかし、紹太寺の庭の桜は満開、辛夷も三椏も咲いている。長興山を登っていっても人影を見ない。銘木枝垂桜はあかあかと立っているのみ。ただ、天辺付近にはちらちらと白い花がついている。
 今日の状況と数年前にとった満開時の状況を並べて右に写真を揚げておく。


  朝光の庭に浄土を見つけたり辛夷三椏やまさくら花
  あかちやけて枝垂るる朝の老木の天辺白く咲きそめにけり
  咲きぐあひ見にきて写真撮るをとこ何の係かみどりの腕章
  うぐひすの声なめらかにせせらぎの音と重なる竹林の朝
  ありし日の伽藍しのびて佇めば朝日にちれる山さくら花
  御霊屋の跡と書かれし山陰にいまも残れる大きスダジイ
  声ひくく烏木末にかたらひて椿散るなり一族の墓

     長興山枝垂れしだるる老桜
     一族の墓所にちりたる椿かな
     日の丸がバスにはためく彼岸かな


 家に帰ってきたらちょうどWBCの決勝戦が始まったところ。焼酎ロンザロックでこれからの半日を楽しもう。
 勝った! 勝った! キューバに勝った! 王が、イチロウが 第一回WBCの優勝者・日本の顔として歴史に残った。世界の野球にとって日本が送った最もふさわしい顔であった。