天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

日本人の不思議

 ラフカディオ・ハーンが見た明治期の日本と日本人について読むと、身につまされることがいくつも出てくる。
*非常に好奇心が強く、平気で障子の隙間から客人を大勢で交代で
 見つめる。しかしそれが騒ぐでなく静かにじっと見るという。
*障子や襖があるだけで、プライバシーというものがなく、みんなが
 みんなの長所や弱点を知っている。従って田舎では泥棒がいない。
*西洋人には不可解な微笑を浮かべる。夫が死んでも主人から叱責
 されても微笑を絶やさない。西洋人は、ますます怒りが湧いてくると
 同時に不気味に感じる。ラフカディオ・ハーン自身は、早くから日本
 文化に順応して、和服を着用し日本人同様にこやかにお辞儀するなど
 できていたから、日本人とトラブルを起こすことはなかったよう
 である。
*怪談奇談はそこここにあった。今昔物語や雨月物語のような伝説が、
 明治期日本の特に地方では、いくつも聞けた。お化屋敷も現代より
 はるかにバラエティに富んでいたようであり、ラフカディオ・ハーン
 でさえ、怖くて悲鳴をあげるくらいリアリティがあったらしい。


 昨日開花宣言を出した靖国神社の櫻基準木のまわりには、参拝者が寄ってきて、十数個の花を携帯電話のカメラに納めていた。


     神池の鯉を呼ぶ子や山桜