天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

花まつり

海棠の花

 今日四月八日は仏生会花まつりである。いつもの散策ルートにある寺々では、小さな花御堂を飾って、釈迦の生誕を祝っている。極楽寺でも、長谷寺でも光則寺でもそして大仏の高徳院でも。すばらしかったのは、長谷寺の境内の桜の散るさまと光則寺の銘木・海棠の花が満開であったこと。ただ、天気はめまぐるしく変った。朝方は花曇り、昼近くから青空が広がり、江ノ電で居眠りしているうちに一天にわかにかき曇りどしゃぶり。家に帰り着く頃には、再び快晴。
 今午後一時過ぎだが、「一刻者」という芋焼酎の氷割りを、焼きうるめ、わさび味の柿の種、するめのげそなどを肴に飲みはじめた。


     軒下を伺ふ二羽の初つばめ
     忍性の徳をしのぶや花まつり
     花蔭に忍性しのぶ施茶の会
     トンネルの暗き口開く山桜
     椎の木の根方にぎはふ著莪の花
     三汀の銅像あをむ花御堂
     四天王が四隅を守る花御堂
     花ちるや花の蔭なる花御堂
     花影に花のちるなり石畳
     ちる花を空に吹き上げ谷戸の風
     石楠花や水子地蔵の数知れぬ
     大仏の罅かなしめる桜かな
     タイ人も賽銭入るる花御堂
     鎌倉の谷戸の山なみ山桜
     渦巻くや鉄砲宿の花あらし
     バス降りて女かけだす花の雨


  ただよひて花はちるなりこの朝の頬にふれたる風のけはひに
  千体の水子地蔵を下に見る谷戸の奥つ城(き)山吹の花