天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ぼたん園

牡丹

 鎌倉鶴ヶ丘八幡宮のぼたん園に行った。桜が散った後の牡丹。二百品種二千本がある。日中国交回復を記念して、中国より贈られた姚黄、これは千年の歳月を株分けされながら咲きつづけてきたという牡丹、また約四百年前趙家の祖趙瑞波が改良した趙粉という牡丹などがある。牡丹は中国原産。中国では、花の王と呼ばれ、観賞用、薬用に古くから栽培されてきた。

     八千代とふ爛熟牡丹風に揺る
     浮かびきて亀の見上ぐる牡丹かな
     鯉の死を悼みて寄るも花筏
     濃く匂ふ傘すぼめたる牡丹かな

  さみどりの蕾に開く白き花「新扶桑」とふ牡丹光れる
  段葛つつじ花咲く参道をみどりに染まり人らあゆめり


 鎌倉から久里浜に行く。花の国のポピーは全く咲いていなかった。他に見るべき花もなかった。くたびれた。

     丘越ゆる人より高き初夏の海