天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

金閣寺

金閣寺

 翌朝は金閣寺にゆく。庭園をぐるりと巡って終わりなのだが、ずいぶんひさしぶりである。

  新緑の朝日の中に猛り啼く鳳凰まぶし金の
  はばたき


その後京都駅に出て、三十三間堂にゆくつもりが、タクシーもバスも長蛇の人の列ができて乗車の順番を待っている。即あきらめて空いていた東寺へゆく。境内の観智院では、宮本武蔵の屏風絵を見ることが出来た。


  それぞれに生まれて持てる役割を果たせと訳す般若心経
  心柱の大いなる底あらはるる乙女のかざす懐中電灯
  金色の身にうつすらとほこり積む薬師如来と日光月光
  草むらの獲物狙へる鷲の図に余白は多し武蔵の筆の
  竹の節右に左に筆はしる宮本武蔵の竹林屏風
  庭園の砂に描ける海のさま遣唐使船に空海帰る