天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

蝸牛

長谷寺の紫陽花

 これだという今年の紫陽花に出会えていない。桜もそうだが、花の名所で静かなところは期待できない。まして鎌倉ともなれば。紫陽花の名所といえば、明月院の他に、極楽寺坂の成就院長谷寺がある。それで今日も雨の中を出かけたのだが、案の定、人人人で何を見にきたのか。長谷寺裏山の斜面の紫陽花は、よく吟味して植えられたために、種類が豊富である。今日入園者に配られた団扇には、それらの写真が並べられている。二十種のっている。デジカメで丁寧に撮っておきたいところだが、前後に傘がひしめいている。早々に引き上げた。いずれの場所もまだ時期が早いようだ。残るは、小田原の大雄山の紫陽花ロード。少し日時をおいて尋ねてみよう。


     身を伸ばし大杉のぼる蝸牛
     なまめきてからだのばすや蝸牛
     土牢の土の匂へる梅雨入かな
     
  紫陽花の粋をもとめてたもとほる雨の長谷寺極楽寺
  あぢさゐの道につらなる雨傘の後つきゆけば紫陽花見えず
  「小町」とふあぢさゐの花かんばせに頬紅はきて奥にはぢらふ
  梅雨入りの鎌倉なればあきらめぬ傘ばかり見る紫陽花の寺