天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

あじさい祭

花葵

 毎年この時期になると神奈川県足柄上郡開成町あじさい祭にゆく。去年は6月12日に行っている。今日は、十日、紫陽花はまだ満開ではなかった。桜の時期もそうであるが、どうもせっかちでいつも早目早目に来てしまう。


     早苗田に鉄塔映る相模かな
     たたなはる山に雲湧く梅雨入かな
     鮎つりの腰まで浸る酒匂川
     あぢさゐやシャツみな赤きジャズバンド
     古民家の庭鬱ふかき栗の花
     朝採りのま竹の子売る水の音
     立ちならぶ幟と見えし葵かな


  聞きづらき司会の声を耐へて待つ軽音楽の木蔭涼しき
  たたなはる梅雨足柄の山おくに雄々しく立てる雪解けの富士
  足柄の水音高き農道を地図もて歩くあぢさゐ祭
  朝採りのま竹の子売るあしがらの水音高きあぢさゐまつり
  足柄のあぢさゐ祭下に見てハングライダーゆふらりゆらり
  あしがりの水田の畦に咲く花は七変化する梅雨のたそかれ