天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

カラスアゲハ

カラスアゲハ

 昨夜は、勤続13年で出産のため退社する女子社員の歓送会につき、神田でよく飲みよく食べた。今日は体が重たい。よって南足柄の大雄山にゆく。紫陽花ロードの状況を見るのと体脂肪を消費するためである。大雄山駅から道了尊までを歩くことにする。途中の道端に南足柄神社(飯沢八幡社)がある。室町時代の一三九四年に大雄山最乗寺が創立された折に、手伝いにきた神々を祀ったという。その反対側に清左衛門地獄への矢印があったので、そこを訪ねる。1キロ程度の距離であった。
昔、清左衛門という人が水源を探してここにきたところ人馬もろとも地中深く落ち込んでしまった。そしてそこから勢いよく豊富な水が湧き出したという。現在、泉の傍に観池山・辡財寺が建っている。
 仁王門から道了尊まで紫陽花の道が続く。車道に沿うかたちで「てんぐのこみち」という歩道が並走している。
 大雄山にはこの時期、カラスアゲハがたくさん飛んでいる。


     白き蝶ねそべる犬にまつはれる
     紫陽花の道のはじまり仁王門
     あぢさゐや水音高き道了尊
     銅鑼うつや大雄山揚羽蝶
     大杉の森の息吹か梅雨の蝶
     
  大雄山最乗寺まで参道は梅雨ふかまれる紫陽花ロード
  法螺貝の音奥に湧く霧ふかき大雄山の紫陽花ロード
  清左衛門地獄といふはまがまがし浮泉(うけのいづみ)と
  名づけし水源


  大雄山裾野に降りし雨水は人馬呑みこむ泉をなせり
  水音とわが足音を聞きしのみ てんぐのこみち紫陽花ロード
  ドロドロと富士の裾野にひびく音子はいかづちの声と思はず
  江戸の世の僧が植ゑにし苗といふ空を隠せる大杉の森
  しめやかに女あゆめり霧ふかき修験の道を黒揚羽とぶ
  大杉のつゆけき森に咲く花の蜜から蜜にカラスアゲハは
  本堂の柱背にしてあぐらくむ障子あかりに滝水の音
  心臓の高き鼓動をしづめむと柱背にして方丈に座す
  賽銭をあぐることなく方丈に座りて見あぐ御仏の顔
  バスにのり山を下りれば霧はるる昼の日射しの紫陽花ロード
  
 汗をいっぱいかいたので、帰宅してから焼酎オンザロックを飲む。パソコンで今日の株価動向を見た。昨日の海外市場も全て下落していたのに、日経平均株価は反騰していた。明日はどうなるか。