天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

山茶花

山茶花

 歳時記を見ると、ツバキ科の常緑小高木。日本特産種で四国・九州・沖縄に自生種があり、十月から十二月に白い花が咲く。園芸種では、鮮紅・桃・八重咲きがある。
右の写真は、インターネット(群馬大学社会情報学部青木先生のHP)から引いてきたもの。自分で撮ることもできたのだが、今日見かけたものは赤い花ばかり。白いものは、見なかった。ちなみに青木先生の山茶花の種類が豊富なのには吃驚した。


     山茶花の木間見せけり後の月   蕪村
     山茶花を雀のこぼす日和かな   子規

  鶏のなく野ずゑの岡のひとつ家に山茶花さけり日は午にして
                     金子薫園
  山茶花のわびしき花よ人われも生きの限りは思ひ嘆かむ
                     長塚 節
  山茶花に雪ふりつもり閑かなり七面鳥のくぐもりのこゑ
                     北原白秋


 大磯の高麗神社から地獄沢を歩く。


     立冬の日の斑さびしむ山路かな
     猪がうかがひをらむ地獄沢
     高麗山に山茶花散らす小鳥かな
     立冬のねむりにつくや富士の峰
     里山の日の斑にひろふ木の実かな
     羽根ビビと鵙高啼ける梢かな
     かけす啼く揚谷寺谷戸横穴群
     居眠るや電車の床の冬日
     冬きたる広場に消防音楽隊