天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

小春日和

 昨日までとは打って変わって今日はぽかぽか陽気であった。靖国神社境内には、老人夫婦や戦友同志らしき数人があちらこちらに見受けられた。

     巖によれば山のつめたき小春かな  原 石鼎
     小春日や故郷かくも美しき     相馬遷子
     玉の如き小春日和を授かりし    松本たかし
     大淀や水の光も小六月       日野草城


 俳句の季語では、「小春」が主題で、「小春日」「小春日和」「小六月」などが傍題になる。


     戦友や小春日和を待ち合はせ
     戦友が鳥居につどふ小春かな
     野良猫や桜おちばに寝そべれる
     ヒヨドリの声にちりくる枯葉かな
     酒戸開けて客まちゐるや落葉掻き

     
  老人が姿勢正して首(かうべ)垂る神殿近き「君が代」の曲
  紅葉の下に和服を立たせたり白板かかげカメラ構へる