天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ぎんなん

瑞泉寺

 今日は建長寺で第五十四回・時頼忌俳句大会が開催される。毎年参加しているのだが、今年はやめた。なんだか億劫になったからである。選者はだいたい三、四名が並ぶのだが、今回は誰なのか、案内状には記入されていない。選者も世話人たちも老齢なので存続が危ぶまれる。
 とはいえ、鰻を食べるため江ノ電で鎌倉に行く。鶴ヶ丘八幡宮の境内で焼きぎんなんを一袋買い、荏柄神社、瑞泉寺と歩いた。鎌倉の谷戸はやっと紅葉が始まったばかり。午後二時頃、若宮大路のうなぎやに入った。先ずはビールで咽を潤し、ぎんなん、板わさ、新香をさかなに日本酒の熱燗を酌む。いつも家では、芋焼酎のロックばかりなので、日本酒は実に久しぶりである。
 帰りに長谷駅で下車し、門前で中国製の鸚鵡のおもちゃを買った。単に、話しかけた言葉をそのまま返すだけなのだが、長谷寺にくるたびに気になっていた。二千九百円はちと高かった。


     山門に日の丸掲げ冬桜
     山茶花や土鈴つくりて年ふりぬ
     朝顔や垣根に見たる夢の色


  鬱ふかき山の奥つ城そのかみの僧が葬りしひとつ打ち首
  長谷寺の門前に売る中国製鸚鵡のおもちゃ確かめて買ふ