大楠の杜
新春の熱海の行ってきた。といっても温泉ではなく、来宮神社と熱海梅園に、である。いかに暖冬とはいえ、さすがに梅も河津櫻も花には時期尚早であった。
来宮神社の境内では、仕事始めともなれば参拝者の数は少ないが、まだテントが残り、縁起物のお札や破魔矢などを売っていた。熱海梅園の梅まつりは、十四日からであり、園内の店は数軒が開いているだけで寂しい。もちろん訪れる客が少ないからである。数本の蝋梅と紅梅がわずかに花を開いているのみ。
大楠の根方めぐるや去年今年
巫女が売る破魔矢鏑矢楠の杜
あらたまの鈴の音すがし巫女の舞
紅梅や厠を出でてたちどまり
探梅の径に人寄せ小鳥笛
黒松の梢飛び交ふ目白かな
探梅の甘酒すする二人かな
大楠の根方めぐりてあらたまの年をことほぐひもろぎの杜
新しき年のはじめの朝光にヒヨドリ来啼く大楠の梢
赤錆の砲弾据うる忠魂碑かつて在郷軍人会あり
蝋梅ははや匂へども白梅の蕾はかたき熱海梅園
初川のせせらぎ聞きてたもとほる梅ヶ梢の甘酒の旗