天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

箱根駅伝

左:往路  右:復路

 今年も正月の二日、三日を東海道鉄砲宿の沿道に立って箱根駅伝を応援した。初日の一区と五区で出た記録にはびっくりした。テレビで見ても気持よくすばらしい走りであった。
 箱根は万葉の頃から歌に詠まれている古い歌枕である。もっともその頃の箱根路と江戸時代以降の道とは違っているが。



  足柄の箱根飛び越え行く鶴(たづ)のともしき見れば倭し思ほゆ
                     万葉集・作者不詳
  玉くしげはこねの山の郭公(ほととぎす)むかふのさとに朝な
  朝ななく               源実朝    
  玉くしげ箱根の空をながむればふたごの山に雲たちのぼる
                     正岡子規



  あらたしき年のはじめの二日三日箱根を越ゆる駅伝走者
  駈けきたる一番走者の姿見ゆ鉄砲宿の松並木跡
  次々と遊行寺坂を駈けあがる汗したたれる若き肉体
  玉くしげ箱根を越ゆる駅伝の区間記録のまたあらたなる
  青春を賭して駈けたる箱根路に区間記録の歴史かがやく