チユーリップ
ユリ科の多年草。アナトリア高原とサマルカンドの間、小アジアが原産地という。トルコで栽培されていたものが、16世紀にヨーロッパに渡りオランダを中心に品種改良が行われた。日本には文久年間に入ってきたが、栽培が盛んになったのは、明治以降。早咲きのものは、3月下旬から4月上旬に開花。遅咲きは、4月下旬から5月上旬に開花。
チユーリップがもてはやされた時代があったと思うが、俳句や短歌で愛唱されている作品を思い出せない。俳句では春の季語で、鬱金香、牡丹百合という傍題もある。
散居村つなぐ明るさチユーリップ 黒田桜の園
チユーリップ喜びだけを持つてゐる 細見綾子
いのちの火守れる如くチユーリップの花ひらきつつまた夕べ閉づ
福田栄一
チユーリップの花咲くような明るさであなた私を拉致せよ二月
俵 万智