天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

茅の輪

江ノ島辺津宮

 江ノ島辺津宮には、水無月祓(あるいは夏越の祓とも)に使われた茅の輪がまだ置いてあった。陰暦の六月晦日に行う半年間の穢れ落しの行事だが、陰暦を厳密に陽暦に変換して実施している神社ばかりでなく、水無月といえば6月だから、陽暦の6月としてしまうところも多い。


      江ノ島や茅の輪のこれる辺津宮
      時の間をとちりつつ鳴く若き蝉     
      あかあかとトマト冷えたり氷水     
      夏の海沖に停まれる警備艇
      岩穴に寄せて噴き出づ夏の潮      
      江ノ島や夏の潮嗅ぐ渡し舟      


  シンナーの臭ひ流れ来みなもとはカヌーにペンキ塗れる砂浜
  幸福の色は黄色と決まりたり小判、お守り、財布、ハンカチ
  つかみても痛くなければ牧野博士命名したりツカミヒイラギ