天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

杜鵑草(ほととぎす)

ほととぎすの花

 30日は朝から雨になった。家の近くで杜鵑草が咲いているのを見かけたが、貧弱なので建長寺に行くことにした。というのは、随分以前のことになるが、建長寺・正統院門前の路傍で見た杜鵑草の花が大きくて、ほととぎすと呼ばれる由縁の紋様がはっきりでていて感心したからである。以来、杜鵑草といえば必ず正統院門前の路傍を思い出す。山門に向って左手断崖下の墓地には神雷戦士たちが眠っており、「神雷戦士の碑」が立っている。
 雨の中を訪ねて愕然とした。まったく杜鵑草の影も形もないのだ。痩せた水引草がひょろひょろと生えているにすぎない。以前見たのは幻であったか、と疑った。多分、今年の気象が杜鵑草の生長には合わなかったのだ。
 午後、短歌人・横浜歌会に出席した。


      秋雨を聞く法堂の苦行像
      雨風のジャブに首振るむくげかな