天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

みせばや

駿府城跡にて

 駿府城跡の茶室公園に入った時見かけて、名前が分からなかったので、受付の女性に教えてもらった。後で辞書に当たってみたら、以下のようにでていた。
ミセバヤ ベンケイソウ科 別名 たまのお。原産地は日本や中国。19世紀末にヨーロッパに伝わった。ヨーロッパでは「シーボルトのベンケイソウ」と呼ばれている。香川県小豆島の寒霞渓では野生の状態で見ることができる。同じ仲間では北海道十勝・日高のヒダカミセバヤ、青森県のツガルミセバヤ、北陸のエッチュウミセバヤなどがある。
 花の名前は、花が綺麗で「見せたい」という意味で、高野山の法師が作った和歌から来ている、とか吉野山の法師が山中でこれを見つけ、歌の師に「君に見せばや」と詞書を添えて献じたことによる、という説明もある。


      みせばやが花をつければ若狭かな  岡井省二
      たまのをの花を消したる湖のいろ  森 澄雄


みせばやの 名になつかしむ 一むらの 夢を見出でぬ 故郷の庭に
                       若山喜志子