天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

大寒の寒川神社

寒川神門

 JR相模線で藤沢から宮山に行く。歩いて相模川の岸辺に。早春の風に吹かれて青い川面と空を見る。今日は一段と風が冷たいせいか、釣りをしている人もいない。
 大寒の日は、どこの神社もお祓いを受ける人達で賑う。相模国一之宮の寒川神社もそうだった。


  かぜ吹けば誰も横目に見て過ぐるマスク二人が挟む空席
  孫悟空が乗りさうな雲浮びたりさねさし相模の大山の空
  目の失せし鮒ひからぶる岸の辺にささくれ寄する相模川
  煙突のけむり棚引く相模野のかなたかすめる白雪の富士
  いにしへに植ゑし松の木残りたる青きふた筋神社への道
  お祓ひを受けむと来たりさざんくわの赤き花ちる「石橋」の鬼
  神門にかかるねぷたもののふが邪気を祓へり寒川の春
  大寒のお祓ひ後を待ち受けて屋台ひしめく参道の裏
  まつすぐに白線引ける飛行機のきらめく先に白き富士立つ