天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

金縷梅(まんさく)の花

まんさく(鎌倉・長谷寺)

 俗に万作とも書く。二月から四月にかけて、葉の出る前に花が咲く。黄色の線形花弁四枚がよじれ、内面は暗紫色。早春にこの花が枝一杯に咲くと豊年満作を想って、名がついたという。




      まんさくに風めざめけり雑木山  行方寅次郎
      金縷梅や帽を目深に中学生    川崎展宏


  春山の日向の雪にかげしつつゆめよりあはく万作咲けり
                      結城哀草果
  大寒の日は短くてマンサクのほそき花弁の縮れふかくす
                      春日真木子