天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

新春の鎌倉(2)

鎌倉・光則寺にて

 今年も定番の散策コースから歩き始めた。すなわち極楽寺成就院、権五郎神社、長谷寺、光則寺 である。葉をすべて落とした木立は、真っ青な新春の空をさえぎることもない。落葉さえ見当たらない境内は、まことにあっけらかんとして素っ気無い。この内、権五郎神社には福禄寿、長谷寺には大黒天があるので、いつもの休日より訪問者が多かった。


      七福神詣や蔵の福禄寿
      地を割りて金が芽吹くや福寿草
      鎌倉に土牢多し笹子鳴く


  ビニールの奥に黒々鎮もれる大黒天の表情見えず
  薄氷(うすらひ)が幽閉したる山茶花の一輪あはれ
  うすきくれなゐ