天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

樫の木

シラカシ(座間谷戸山公園にて)

 ブナ科コナラ属の常緑高木の総称である。秋にどんぐりの実をつける。アラカシ、シラカシ などがある。


  樫の木の上に月いでてみづみづとしたる夜空を
  窓よりのぞく           佐藤佐太郎
  遠き世の記憶のなかに立ちそそる照明弾の下の
  樫の木              大西民子
  十方に枝を張りたる樫の木にある人格をしのび
  近づく              島田修二
  一本の樫の木やさしそのなかに血は立ったまま
  眠れるものを           寺山修司
  いまいちど〈われら〉と彫りし樫の木をゆり
  うごかして我等去るべし      小池 光
  あけぼのの中なる樫の影太しあな男とは発語せざる樹
                   影山一男


  円形の闇のぞきこむ小鳥あれ巣箱かかれるシラカシの森